そのIoT実験は合法ですか?
<技適は電波に関するものだけではありません>
例えば、一般ユーザがルータやスマホを購入してインターネットに接続できるのは、「無資格者でも接続可能な例外規定」があり、その条件を満たしているからです。組込みコンピュータボードなどを用いたIoT実験の場合、プログラムで実装する機能によっては接続が認められない場合があります。また機能的にOKでも有資格者による確認が必要となる場合があります。企業や団体の実証実験で違法性を指摘されると信頼を失いイメージダウンとなる可能性があります。コンプライアンス的にも留意が必要です。
<電気通信事業法の第69条と第71条>
・電気通信事業法第69条
利用者は電気通信事業者の検査を受けたものでないと繋いではいけない。『ただし例外あり』と書かれています。
・電気通信事業法施行規則第32条の四 (電気通信事業法第69条の例外)
電気通信事業者が、(途中省略)…検査を省略することが適当であるとしてその旨を定め公示したもの(一般には適合表示端末のこと)を接続するとき。
・電気通信事業法施行規則第32条の二 (電気通信事業法第69条の例外)
通話の用に供しない端末設備又は網制御に関する機能を有しない端末設備を増設し、取り替え、又は改造するとき、と書かれています。
・電気通信事業法第71条
利用者は網に接続する場合は工事担任者に工事・監督をさせなければならない。『ただし例外あり』と書かれています。
・工事担任者規則第3条の三 (電気通信事業法第71条の例外)
適合表示端末を『別途告示する方式』で接続する場合は、工事担任者を要しないと書かれています。
・昭和60年郵政省告示第224号 (工事担任者規則第3条の三の『別途告示する方式』)
無資格者が適合表示端末を接続できる方式が書かれています。
一 プラグジャック方式により接続する接続の方式
二 アダプタ式ジャック方式により接続する接続の方式
三 音響結合方式により接続する接続の方式
四 電波により接続する接続の方式
・技術基準適合証明(電波法)
・技術基準適合認定(電気通信事業法)
<参考資料>
・電気通信事業法
・電気通信事業法施行規則
・工事担任者規則
・工事担任者資格制度Q&A(総務省)
・工事担任者資格制度Q&A(情報通信設備協会)
・電気通信の工事担任者とは(日本データ通信協会)
・電気通信事業法に基づく端末機器の基準認証に関するガイドライン(第2版 総務省)
(記事更新:2023年5月12日)